Tsunashima Blog
この記、なんの記、気になる記

人生に失敗はない。あるとすれば、失敗を恐れて、挑戦しないこと。
だからこのブログは、成功談というよりも、失敗談になるハズ・・・

東京2020オリンピック・パラリンピック物語 期待編 06

大会組織委員会に転職

アスリートとして出場することはできない代わりにコンサルタントとしてアスリートを支え、そしてボランティアとして運営側を支えることで、自分もオリンピック・パラリンピックに関わっているという自覚はあるものの、なんとなく歯がゆさを感じていました。

研修の講師としてボランティア参加者に対し、スポーツの持っている大きな可能性や平和の祭典としての開催意義を訴え、そしてパラリンピックを通じてダイバーシティを浸透させ共生社会を創り上げる、そんな意識が高まれば高まるほど、自分の中ではキャリアの集大成としてスポーツ業界に身を投じたいという思いが抑えきれなくなりました。

そんなある日、会社の関係部署がある晴海トリトンスクエアのオフィスで、久しぶりに会議がありました。会議が長引いて昼飯を食べ損ね、どこか安くてうまいレストランはないかとトリトンスクエアのロビーを歩いていると、大会組織委員会職員の知り合いとばったり会ったのです。

「わぁ、こんなところで偶然ですね!」と声をかけたら、「最近、課題が多くて大変なのよ。大会まで時間がないし、頑張んなくっちゃ」と返ってきました。その時思ったのです。そうか、ぐずぐずしていると東京大会が終わっちゃうのか。オリンピック・パラリンピックが最終ゴールじゃないけど、自分にとってはまたのないチャンスじゃないか。そして選手村の目と鼻の先にある晴海トリトンスクエアで、オリンピック・パラリンピックに関係のない会議なんかやっている場合じゃないぞ、と。

その瞬間、迷いが晴れ、その日のうちに組織委員会のサイトから職員募集ページにアクセスし、履歴書を提出しました。ほどなくして面接があり、運よく内定をもらったのが、2019年の年の瀬が押し迫った頃でした。

とは言え、正直、ビビっていました。まずは収入面。募集要項に書かれていた職員給与は、当時の年収の3分の1程度。しかも大会が終わったら組織委員会は解散するので、そのあとの仕事もどうするか。ん~、どうしよう・・・こういう時は神頼み、といきたいところですが、神様は年末年始で忙しい。自問自答するしかありません。

そこで座禅を組むことにしました。ちょうど月曜日だったので、表参道にある永平寺別院長谷寺の座禅会に出向きます。どうしようか、なんとかなるかな、ならないかな・・・と座禅を組みながら逡巡していると、見透かされたのか、住職が言います。「いいですか、ちょっとやそっとの座禅で悟りを開こうなんて虫が良すぎると思いませんか。今日はあきらめて、無になってください。何も足さない、何に引かない、ご破算で願いましては・・・そこからです

なるほど「ご破算」か。俺はいったい何に対してビビっているのかな。収入か。いや別に適当に生活できればいい。じゃあ生活できないってなんだ?お金がなくて食べるものが買えなくなることか?そんじゃあ俺は「餓死」にビビっているのか。餓死・・・あんまり現実味がない。まあ近所の業務スーパーで売っている一袋19円の蕎麦とか、29円のモヤシがあれば、多分、餓死はしないんじゃないか。と考えると、なんかビビるのがばかばかしくなった。 会社に退職届を出し、プロジェクトチームの送別会でこの話を暴露すると、仲間が抱き着いてきて「どうかご無事でっ!」と言った。ん?やっぱり客観的には危ない賭けなのか・・・無事に生き延びられるかなぁ・・・

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