グローバルビジネスの一例 ・ WTC(World Triathlon Corporation)
トライアスロンに関しては、海外に目を向けると、誰でも気軽に参加できる草レースもあれば、参加費は高いけれど盛り上げる工夫が満載で参加者の人気が高いレースがたくさんあります。国際的な賞金レースもあり、一部のエリートアスリートにはスポンサーがついて協賛を得ることができます。そんなレースには国外からの参加者も多く、例えばIronmanという国際レースには、毎年、3000人もの日本人が出場しているとのデータ(*1)もあります。
Ironmanは、米国フロリダ州に本社を置くWTC(World Triathlon Corporation) 社が開催権を持っています。WTCは、2020年7月まで、中国のWanda Group(大連満達集団)が資本参加し、同社のスポーツ事業としてレース運営がされていましたが、アメリカのAdvance Publicationsというコングロマリットに経営権が移り、トライアスロン以外にも、マラソンや自転車のレースを開催しています。フランスのモンブラン周辺走るトレイルランニングの最高峰、UTMB の開催権も2021年から持つようになりました。(*2)
つまり、スポーツを支える側が戦略的に事業を推進し、参加者の満足度を上げながら、競技を発展させている事例を考えると、特定の競技に限らず、「スポーツを支えるビジネス」は、長期的な事業として成り立ち、スポーツツーリズム等を活用した地方創生にも繋がる大きな可能性を秘めていると思っています。
*1: COARCHCOX https://www.coachcox.co.uk/2018/10/29/ironman-demographics-part-1/
*2: UTMB Group and The IRONMAN Group partner to launch the ground-breaking UTMB® World Series