Tsunashima Blog
この記、なんの記、気になる記

人生に失敗はない。あるとすれば、失敗を恐れて、挑戦しないこと。
だからこのブログは、成功談というよりも、失敗談になるハズ・・・

東京2020オリンピック・パラリンピック物語 戸惑い編06

出向者流入

大会の1年延期が正式に決まると、毎月発表される人事発令に退職者の名前が続々と載る様になりました。前代未聞の開催延期という得体のしれぬ難敵に立ち向かう勇気のある人、全く成す術がなく、ただ時の流れに身を任せる人、様々な事情があるにせよ、「延期が決まったので、雇用契約を1年延ばしましょう」と気軽に受け入れるものではありません。

普通は自分のキャリアプランがあり、オリンピック・パラリンピックという国際イベントの運営経験を積んで、次のキャリアパスに繋げようと思って職員になったのであれば、雇用契約が終わる2020年の10月に向けて転職活動をするのが普通だし、既に転職先が決まっている人もいるはず。内定をもらった企業に「就業開始を1年延期してもらえませんか?」と言えるわけがありません。

組織委員会としては必要な人員は確保したいけれど、退職後の欠員補充のために、積極的に採用する状況にはありませんでした。

そこで辞めていく職員の代わりに、出向者の受け入れが加速しました。一番手っ取り早く補充するのは、職員の大半を占める都庁職員なのですが、あいにく新型コロナウィルス感染症対策で、本庁そものもが人手不足に陥っており、頼りになる出向人材の供給元は民間企業が多くなりました。

特にコロナで大打撃を被り、事業活動が停滞して従業員を自宅待機にしたりしていた観光業等が多く、勤務していた店舗が閉鎖されてしまった旅行代理店、搭乗機会が失われてしまったCA等が数十人単位で流入しました。

彼らの自己紹介を聞くと、組織委員会への出向は青天の霹靂で、自宅待機中に突然指示があったので自分の希望ではないとか、スポーツには全く興味がなく吹奏楽が趣味だとか、新卒でCAになったので一度も事務作業をやったことがないという出向者もいました。

当時は在宅勤務が続いていて、オンサイトでの職員同士の交流は皆無になっていたので、新しく入社した職員と顔を合わせることもなく、しかも前代未聞の大会延期の影響で過去の計画が変更になり、混乱に拍車がかかっていました。

丁度、同じ部署に入社した出向者が、たった数ヶ月で出向元に帰任していった例もあり、人手を確保しようとする組織委員会の意図とは逆に、出向者と契約職員の間に軋轢が起こり、契約職員の退職者も歯止めがかからず、出向者も帰任するという悪循環が生まれ、職員の数合わせでは解決できない問題が広がっているのを肌で感じながら、とても苦しい日々が続いていました。

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